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新会員サービス「オンラインサロン」 大好評開催中! | 2026年3月

簡便な低栄養スクリーニングはあるの?

本協会の栄養経営士・栄養経営サポーターのみが無料で参加できる「オンラインサロン」。2026年3月は25日(水)18:30より行われました。この日は宮澤靖代表理事と吉田貞夫副代表理事、田中智美理事が出席し、参加者からの質問に対しみんなで意見を出し合いました。

オンラインサロン

現場が回るような体制をつくることが大事

事前にいただいた質問のひとつは「外来での低栄養スクリーニングについて」でした。ご質問者からは「普段から外来はとても忙しく、体重測定すら忘れてしまうような現状。MNA-SFやふくらはぎ周囲径測定の導入は現実的ではなく、問診票も記入が不十分で、結局看護師の手間が増えてしまう・・・」といった状況が説明され、「外来で簡便にできるスクリーニング方法として推奨されるものがあれば教えてほしい」という内容でした。

田中理事は、「当院の外来では看護師さんがG8(Geriatric-8)を使っている場合もある。ただG8であってもBMI値は入ってくるのでやはり体重が必要になるところもあるので、低栄養をスクリーニングする中で体重を測らないで評価するっていうのはすごく難しい」と話したうえで、「低栄養の方だけではないが、自分の体重をわかっていない人が結構いらっしゃる。20年前の体重を今の体重だと思っているような高齢の方も少なくなく、実測値と本人の申告値がすごく違うこともある。やはり低栄養のスクリーニングをするのであれば体重は必要なのではないか」と注意を喚起しました。

宮澤代表理事は、まず「以前あるベンチャー企業の方から、モーションセンター等を足首につけて歩いていただいて、AIで分析してサルコペニアの度合いを測るという器具について相談を受けたことがある。他にも取り組んでいるところはあるかもしれないが、実用化に至っているという話はまだ聞いたことがない」という現状を紹介。そしてスクリーニングについて「簡便でなくてはいけないが、簡便すぎて見落としてしまうこともあるので、やはりある程度の項目はないといけないし、体重・身長等の身体計測値はどうしても必要になってくるのではないか」と述べます。

続けて宮澤代表理事は「問題なのは、そこに医療従事者のマンパーが足りていないということ」と医療提供体制を取り巻く現状について疑問を提示。「入退院支援センターのようなところに管理栄養士を1名置けるような体制を制度化していくっていうことも大事だろう」と述べ、「外来でできるスクリーニング方法で、おそらく一番簡単なのがMNA-SFであり、これ以上削ってしまうと本当は引っかかる人が漏れてしまう。現場ではMNA-SFが運用できるような体制づくりをしていくことが大事であり、さらに制度を考えていくことも必要なのではないか」と話しました。

吉田副代表理事は「高齢者が多いところではやはりMNA-SFを使ってもらえたら」とし、「ご家族の人に用紙を渡して『これ丸だけつけてください』ということでもある程度の精度でできるのではないか」と運用について提案。さらに「自分はやっていないが」としたうえでMST(Malnutrition Screening Tool)についてふれ、「2項目(体重減少と食事摂取量)しかないが、海外では『中等以上のエビデンス』と評価されており、今後そういうのを使ってみる可能性もあるのではないか」と提案しました。MSTについては、宮澤先生も「海外では確かに一定の評価はあるが、日本では実際に実施している施設はほとんどないのではないか。まだまだ認知度が足りないという側面もある」と現状を解説しました。

低栄養については来年からの適用とされているICD-11(国際疾病分類第11版)において診断可能な「病名」となります。これに伴い、栄養アセスメント、低栄養スクリーニングに関する仕組みも整備されていくことが考えられます。どのようなツールを用いて、どのように運営していくのか。スクリーニングを組み込んだクリニカルパスの再検討等、体制をしっかりと整備していくための準備を早々に進めていく必要もありそうです。

「オンラインサロン」は今後も月に1回のペースで実施する予定です。全国の栄養経営士や理事の先生方と直接交流できる、会員ならではの貴重な機会ですので、ぜひ奮ってご参加ください。

★次回以降のスケジュール&参加申込はコチラから★

3月25日(水)のオンラインサロンの話題

・栄養保持を目的とした医薬品処方の厳格化について

・外来における低栄養スクリーニングについて

・特別食加算・嚥下調整食