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新会員サービス「オンラインサロン」 大好評開催中! | 2025年4月

目に見える数字だけがアウトカムじゃない 切り口を変えてみよう

本協会の栄養経営士・栄養経営サポーターのみが無料で参加できる「オンラインサロン」。第44回は4月23日(水)18:30より行われました。この日は宮澤靖代表理事と吉田貞夫副代表理事、真壁昇理事、山下茂子理事、田中智美理事が出席し、参加者からの質問に対しみんなで意見を出し合いました。

オンラインサロン

他職種へのサポートもアウトカムと考えよう

この日最後の質問は「早期栄養介入による患者のアウトカムについて、どのように評価していますか」でした。

最初に田中理事が「当院でも悩んでおり、ICUにまつわる症状を早期介入によって改善するとか、早期栄養介入でどうなるかの評価資料をICUの麻酔科の先生と検討している。ただ、栄養だと言い切れるだけの何かを見出すのは難しい。栄養だけの結果でなくとも、良くなった要因のひとつが栄養だということは伝えていきたい」と話しました

次に真壁理事が「下痢の延べ日数の短縮など、栄養に伴う有害事象がどれだけ減るかに着目している。また、患者のアウトカム以外に、栄養で他職種のスタッフを支援できるかどうかも見ている。たとえば、経腸栄養や静脈栄養でプロトコルを策定すれば、医師がいなくても標準的な栄養管理ができる。あとは、個人的に皮膚の指標を重んじた栄養評価等を行っている」と語り、患者のアウトカムだけではない切り口を紹介しました。

吉田副代表理事は「栄養のエビデンスは難しい。ただ、論文を調べるとGLIMによる低栄養診断を受けた患者にその対応をすると人工呼吸器の期間が短くなるといったことがメタ解析でわかる。そういったことを一つひとつ見つけて、報告が積み重なるとガイドラインが変わる。各施設の地道な研究が大切」と参加者を励ましました。

最後に宮澤代表理事が「加算が始まる前から常駐しているので、始まってからのアウトカムはとっていない。しかし、入っていなかった頃と比べると、栄養開始までの時間は圧倒的に早くなった。早期栄養介入加算が始まったきっかけは、48時間以内に栄養介入した患者のトータルの入院期間の短縮および死亡率の低下によるもので、ICUだけで完結するデータは出しづらい。他職種へのサポートといった観点のアウトカムも重要で、医師や看護師へのアンケート結果もちゃんとしたアウトカムになる」とアドバイスしました。

「アウトカム」というとどうしても「治療成績」「患者さんへの効果」を考えてしまいがちですが、他職種の負担を軽減することで、結果的に治療成績の向上や患者さんへのメリットにつながる場合もあります。栄養部門の中だけではなく、広い視野で考えてみるのも手かもしれません。

「オンラインサロン」は今後も月に1回のペースで実施する予定です。全国の栄養経営士や理事の先生方と直接交流できる、会員ならではの貴重な機会ですので、ぜひ奮ってご参加ください。

★次回以降のスケジュール&参加申込はコチラから★

4月23日(水)のオンラインサロンの話題

・リハ・栄養・口腔連携体制加算の食事観察はどのくらい訪問してる?

・定数- 2で多忙なスタッフのモチベーションをあげるには?

・栄養指導の時間は30分とってる?

・NSTの維持が難しくなりました…

・早期栄養介入のアウトカムはどうとる?