お問い合わせ 資料請求

ニュースロゴ

2023年度「栄養経営士」資格認定基礎講習札幌会場開催 | 2023年8・9月

管理栄養士にしかできない業務で
施設経営に貢献しよう

日本栄養経営実践協会が主催する2023年度「栄養経営士」資格認定基礎講習(以下、基礎講習)札幌会場が7月23日(日)に開催された。北海道地区での開催は2019年以来で、現地会場は9人、オンライン参加は21人の計30人が参加。2015年のスタートから現在までで会場+WEBの受講修了者の累計は1662人、DVD修了者も含めると2263人となった。

「稼げる栄養部門」をつくり黒字化を図る

基礎講習は宮澤靖代表理事が自ら登壇し、参加者に直接「栄養経営士としての視点や考え方」について講義を行うものである。基礎講習の修了が「栄養経営士」資格認定試験の受験要件になっているため、栄養経営士は必ずここで宮澤代表理事から教えを受けることとなっている。

講義は栄養部門が重要になっている理由と、置かれている状況についての確認から始まった。1990年代以降、医療は医師・看護師による少数精鋭から多職種によるチーム医療へと変化したが、栄養部門はいまだに給食管理業務に追われているところが少なくない。なぜ、それではいけないのか、今後はどうあるべきなのかを、宮澤代表理事はさまざまなデータを使いわかりやすく解説した。

オープニング
給食管理と臨床栄養が両方重要だからこそ片手間では無理だと説く宮澤代表理事


また、栄養部門のマンパワー不足についても「栄養指導など、管理栄養士は患者とコンタクトすることで診療報酬がつくが、事務所や厨房にいても一円も稼げない。稼げない部署に、経営者が人を入れてくれるわけがない」と指摘し、今までとは考え方を変えるよう、参加者に発破をかけた。

次に、宮澤代表理事は参加者に自部門の課題を聞き、一緒に解決方法を探るとともに、栄養部門を取り巻く状況の問題点を説明した。

とくに昨今問題となっている、給食コストの増大や人手不足に触れ、今のまま継続することは難しいと説明。一つの解答として、給食にセントラルキッチンや完調品等の新技術を取り入れつつ管理栄養士は病棟に出て稼ぎ、たとえ給食費がかさんでも、部門として黒字にすることを提案した。

現状を変えたい管理栄養士はぜひ参加を

午後からは栄養に関する診療報酬やアウトカム分析について触れ、宮澤代表理事が東京医科大学病院で行っている業務改革についても詳しく説明した。実例を挙げながらの講義は参加者にとって大変ためになったのではないだろうか。

オープニング
業務マネジメントの実践を4つのステップで解説


オープニング
現場での卒後教育については病棟配置・情報共有・教育の“三位一体の構造改革”が必要とし、
その実現に向けた8つのステップを紹介した


その後は病態把握能力や基礎医学の知識の重要性を説き、最後に栄養経営士についての紹介を行って、この日の講義は終了した。

なお、今回の基礎講習では昼休憩時にランチョンセミナーを行われ、株式会社アイドゥの位田毅彦社長が「術後早期回復プログラム(ERAS)について」、宮澤代表理事が「ERASガイドラインに沿った栄養管理」というタイトルで講演を行った。今後も、参加者に有益なセミナーがあればどんどん取り入れていく予定である。

オープニングオープニング
ランチョンセミナーで紹介された株式会社アイドゥのアクアファン
詳細はコチラ


今年度の基礎講習は、11月18日(土)の仙台会場が最後の日程となる。現状に疑問を持ち、栄養部門を変えたいと思っている管理栄養士がいたら、ぜひ参加して欲しい。現地参加が難しい場合にはオンラインで参加する方法もあるので、一人でも多くの方に参加いただけることを願っている。

参加者の声~基礎講習修了レポートから~

「管理栄養士が今後さらに病棟で活躍していくためには、学生時代から学んできた知識を繋げていくことはもちろん、他職種とどのように連携していくかを考える必要がある。そしてそれは単に病態理解を深めることや共通理解を目指すだけでなく、10年後、20年後を見据えることが求められているとわかった」(病院勤務)

「増員さえできれば何でもできると考えていたが、本来管理栄養士として働く業務は絞れば深く突き詰められるものであって、決して人の多い/少ないではないことに気づかされた」(病院勤務)

「役職者として、グループリーダーとして、部下の働きやすい環境、スキルアップできる環境を創っていきたいと改めて感じる機会となりました。Dr、Nsのタスクシフト・タスクシェアを進めているなかで、発言力や他職種とのコミュニケーションをより強化していきたいと感じました。」(病院勤務)