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【北海道支部】セミナーレポート | 2023年6月

北海道支部研究会が再開!
所属施設の理念の理解を深めよう

コロナ禍で中断していた栄養経営士北海道支部研究会が、4月15日(土)新たな形で再開しました。第1回は支部会員限定とし、「まずは病院・施設が目指す方向性を理解しよう!」をテーマに、会場およびオンラインにて開催しました。

変化の今はチャンスにあふれている

本研究会は、協会と北海道支部の理事を兼任する田中智美さん(手稲渓仁会病院)をはじめ、支部理事を務める角直子さん(札幌偵心会病院)と多田梨保さん(済生会小樽病院)と事務局で打ち合わせを重ね、テーマを設定しました。

冒頭で田中さんは、「診療報酬が大きく変わってきているなか、マネジメント的な視点をふまえ、今は色々なことをやっていくチャンス。悩みはそれぞれあって対策を講じようと模索している最中と思うが、前提にあるべきは自身が働いている施設の方針を理解すること。皆さんの考えを共有し、ヒントを見つけられる場にしたい」と述べました。

イントロダクションとして行われたのは、参加者それぞれの部署運営における課題の共有です。スタッフの育成や業務量の調整、食材費の高騰といった切実な悩みについて、参加者同士で忌憚ない意見を交わしました。「栄養士の我慢や努力ではもう太刀打ちできない段階に来ている。もっと声をあげよう」、「日頃から他部署ともコミュニケーションを取りながら、少しずつ要望をかなえていくのも手」など、さまざまな意見が挙がりました。

北海道支部研究会
久々の北海道支部研究会に話が尽きない参加者たち

BSCを用いた、成果を上げる取り組みを発表

続いて、各施設における栄養部門のマネジメントの現状を知るため、各理事の発表が行われました。角さんは、所属病院のBSC(バランス・スコアカード)に即した栄養科のBSC項目としてすすめる、連携医療機関における栄養食事指導について発表。取り組みにあたり、法人の介護保険施設所属の管理栄養士にも協力が得られ、法人内の連携促進にもつながっていると説明しました。「病院BSCを達成するための栄養科の取り組みだからこそ、他部署も巻き込むことができた。結果、介護部門の人員増員も検討してもらえることになり、手応えを感じている」と話しました。

続く多田さんは、所属病院の合言葉である「自らも組織のファンとなり、地域に選ばれる病院となる」を大前提にした部署運営の現状を報告。「SWOT分析やBSCを用いつつ、ひとつの成果を単体で終わらせるのではなく、何かに関連づけて次の展開を考えていきたい」と述べました。

最後に田中さんは、まず「マネジメント」の概念について説明。ピーター・ドラッカーの言葉を引用し、「マネジメントとは組織を統制することではなく、組織が成果を上げるための仕組みを考えるということ」とし、自部署で取り組むBSCの具体的な中身について紹介しました。「個々人が専門性を発揮して活躍したことを数字で示すとともに、患者さんのQOL向上といったプライスレスの成果についてもしっかり表現することができれば、管理栄養士の経営的な存在意義をアピールすることができるはず」と力を込めました。

会場、オンライン問わず、参加者同士ざっくばらんな意見が交わされ、研究会は終了しました。

本研究会は、北海道支部の会員を対象に、2024年3月まで継続して開催する予定です。次回は7月22日(土)、人材育成がテーマ。北海道支部会員はふるってご参加ください!