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2022年度資格認定基礎講習会場日程終了 修了者全累計は2,167人に | 2022年12月

医療の質の向上を目的とした病棟常駐
管理栄養士は医療人としての意識改革を

日本栄養経営実践協会が主催する2022年度「栄養経営士」資格認定基礎講習(以下、基礎講習)東京会場が11月27日(日)に開催された。今年度最後の日程となった東京会場は、現地会場とWEB受講のハイブリッド方式で行い、現地参加の8人とWEB参加の30人、合計38人が参加。2015年のスタートから現在までで会場+WEBの受講修了者の累計は2,167人となった。

病棟の医療スタッフとしての意識を持とう!

「栄養経営士」の資格認定試験において、基礎講習の修了は受験要件のひとつとなっている。現在は会場またはDVDでの受講が可能で、会場受講の場合は現地会場とオンライン(WEB受講)から選択可能である。自宅や職場にいながらにして講師を務める宮澤靖代表理事の熱い講義が聞けるのがオンラインの良いところであるが、今回の東京会場では「直接講義を聞きたい」と、静岡や大阪、三重、新潟と遠方からわざわざ足を運んだ参加者も見受けられた。

講義の冒頭、講師を務める宮澤代表理事は病院勤務の管理栄養士の現状について言及し、医療スタッフとしての意識の違いについて触れた。医師や看護師などの病棟スタッフが「医療の質の向上」を目的としているのに対し、管理栄養士は「加算の向上」を目的にしがちだと指摘。「私たち管理栄養士も医療の質の向上のために働くのだと意識改革しなければ本当の意味でのチーム医療にはならない」と警鐘を鳴らした。

続いて、管理栄養士が病棟に出なければならない理由について図表を用いて詳しく説明したあと、会場参加者に自部門の問題点とその解決策についてヒアリングを行った。栄養部門としての理想と現実の間で悩む参加者に対し、宮澤代表理事は自身の経験を紹介しながら、これからの管理栄養士と栄養部門が担うべき役割について説明した。

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給食管理と臨床栄養の充実に必要なこととは

午後は病院の栄養部門における二大業務のひとつ、給食管理についてこれからはどう考えて運営していくべきか、また栄養指導件数についての考え方などを、宮澤代表理事が勤務する東京医科大学病院の事例を紹介しつつ説明した。

「委託給食では、委託会社(給食管理)と管理栄養士(臨床栄養)が、お互い好きで得意なことを行い、それぞれのパフォーマンスを100%発揮することで、給食と臨床の両方を充実させることができる」と語る宮澤代表理事の言葉に、大きくうなずく参加者の姿もあった。

その後、組織を変えていくためのステップや成長させるリーダーになるために必要なことを解説し、最後に日本栄養経営実践協会について簡単な紹介を行って講義は終了した。

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すべての講義が終了したあと、参加者はこの日の学びについてレポートを作成した。紙面にもいくつかのレポートからの抜粋を掲載しているので、参加者の気づきを読んでみて欲しい。

来年度の基礎講習は、東京(春、秋)と札幌(夏)での開催を予定しており、北海道での開催は約4年ぶりとなる。新しく栄養経営士の扉を叩く管理栄養士の方々はもちろん、宮澤代表理事の熱い思いを直接感じたいという会員も、ぜひ参加して欲しい。

一人でも多くの管理栄養士にご参加いただき、栄養経営の考えをもとに病院、施設、地域に貢献する栄養経営士として活躍することを祈っている。


基礎講習 参加者のレポートより

「私の所属する栄養科で足りないもの、そしてまず取り組むべき改革は、ビジョンの設定と新人教育マニュアルの作成です。栄養科メンバーが日々の業務に追われ、あっちこっち違う方向を向いているのでは?と感じていた原因がよくわかりました。業務整理を行い、より働きやすい環境づくりをしていきたいです」(Web・病院勤務)

「給食委託企業で事業所責任者をしているが、年々病院管理栄養士の仕事内容が変化していると強く感じている。講習を聞き、病院側と委託側の管理栄養士(調理師)がともにミールラウンドを行うことを実現させたいと思った。実際に自分の目で見て、話を聞いて、食事を共に考えることがより最適な栄養管理につながるのではないか。今後、クライアントに提案し、結果を出していきたい」(会場・給食委託企業勤務)

「厨房業務と病棟業務の両立で悩んでいましたが、講義を聞いて両立することが正ではないという新しい考えが生まれました。委託業者さんとのコミュニケーション不足も業務のやりにくさにつながっていたので、一緒に病棟に足を運んでもらい、定期的に検討会を行うなど意見を交換しやすい場を設けていこうと思います」(Web・病院勤務)

「他部署との診療に対する知識量の格差や専門分野での素養が足りていないことを努力不足であると自己否定することが多かったのだが、これまでの教育構造にも問題があると拝聴し、救われた気がした。これから自分の周りの職員を育てる目的で、基礎医学にあたる分野の勉強会を手はじめに行っていきたい」(Web・病院勤務)

「就職2年目ですが、入職時に『栄養指導件数増加に取り組んでいる』と上長や先輩に言われ、1つの収入源としてやらなくてはいけないものと思っていました。しかし講義を聞き、患者様に対する医療義務として、質を上げられるように取り組まなければと思いました。栄養指導媒体の見直しがされていないため、修正して情報を更新するところからはじめようと思います」(Web・病院勤務)