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新しい時代の組織づくり、働き方をみんなで考えよう | 2022年11月

第6回日本ヘルスケアダイバーシティ学会

一般社団法人日本栄養実践協会が後援する、第6回日本ヘルスケアダイバーシティ学会(大会長=安藤高夫・医療法人社団永生会理事長)が11月3日、東京都港区の国際医療福祉大学東京・赤坂キャンパスで開催された。

Well-beingな組織づくりとはなにかを考える

今年の学会テーマは「多様性がつなぐ、人づくり・組織づくり・地域づくり」。医療法人社団永生会の安藤高夫理事長が大会長を務めた。

特別講演では、独立行政法人国立女性教育会館理事長で、NPO法人日本NPOセンター代表理事、立教大学名誉教授の萩原なつ子氏が、「東京都豊島区『としまF1会議』から考えるWell-Beingなコミュニティ」をテーマに講演。Well-Beingなコミュニティづくりの例として、「としまF1会議」について話した。

萩原なつ子氏

豊島区は2014年に東京都23区で唯一「消滅可能性都市」に指定され、重点目標に「女性に優しい、女性が住みたくなる、来たくなるまちにする」を掲げた。対応策を審議する「としまF1会議」は萩原氏が座長を務め、豊島区の女性を中心とした32人で構成。同会議でまとめた提案は翌年、11事業8,800万円が予算化され、若い女性市民の意見を直接取り入れた区政史上初めての例となった。

萩原氏は「行政は縦割り組織だが、ひとつの部署では解決しないことが多く、これは医療機関も同様。関連する人たちをみんなラウンドテーブルに乗せて、みんなで対話しながら進めたことも奏功した」と振り返った。

働き方改革をテーマにシンポジウムを開催

続くシンポジウム「医師と医療従事者の働き方改革」では安藤大会長が座長を務め、学校法人北里研究所北里大学常任理事の渋谷明隆氏、国家公務員共済組合連合会横須賀共済病院病院長の長堀薫氏、エム・シー・ヘルスケアホールディングス株式会社上席執行役員C S O / C M O の小西竜太氏、医療法人大誠会理事長の田中志子氏の4名がシンポジストを務めた。

田中氏は、出産や子育てをしながら、父親が経営していた医療法人大誠会を引き継ぎ発展させてきた歴史を振り返った。少子高齢化、過疎化の中でも職員が子どもを産み育てやすい環境づくりやシニア雇用に取り組み、総職員数、新入職員数、職員の子どもの出生数、シニア雇用者数が増加していることを示し、「次の世代のために、誰もが幸せな人生を生きられる未来をつくることが、働き方改革の目的」と述べた。

シンポジウム

座長の安藤高夫大会長は閉会の挨拶で「これから医療・介護業界でもダイバーシティが重要になってくる。当学会が多様性の発信源となっていくよう頑張りましょう」と呼びかけた。

次年度の開催は11月頃を予定している。